2019年9月15日日曜日

大停電


今回の千葉の台風による大停電で、SNS等ではせめて被害の実態だけでも知ってほしいという、悲痛な訴えがあった。

ファーマータナカと自称する位だから、私は一介の農業者(のはしくれ)だった。
一般のご家庭の惨状にはもちろん心を痛めるものではあるが、被害額〇億円と一山いくらみたいに報道される農業現場の悲惨な現実にも、是非思いを馳せ寄り添って欲しいと思う。
報道と同じように、私も停電で作物は枯れて全滅、酪農では搾ったミルクの廃棄や乳牛の病気(乳房炎)の経験があり、その無力感の前に、神なんていないと何度も思った。

農業も酪農も、自然と共存とかましてや挑戦とか、そんな生易しいものではない。
電気という脆弱な文明に辛うじて乗っかっているだけで、それがこけると、徹底的に痛めつけられ、ほぼ再起不能だ。
心よりお見舞い申し上げるというほかはない…。


枯れたら又種を撒くしかない。収穫まで葉菜(レタス等)では数十日~数ヶ月、果菜(トマト等)では数ヶ月、果物では数年かかり、勿論それまで収入はない。


搾らなければ病気になるように人間が改良してきた。
捨てるために手で搾るのは、余りにも辛い。

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