2018年10月19日金曜日

amazon

ファーマータナカの本棚。
「amazon 世界最先端の戦略がわかる」(成毛眞)

amazon が単なるネット書店と思っている人はさすがにもういないだろうが、その世界戦略の進化ぶりに腰を抜かしそうになった。
既にオンライン辞書には「amazoning」(アマゾンしている)、「amazoned」(絶滅させられた)が掲載されている。
多忙な現役世代の代わりに、特筆すべき事項をランダムに引用しておくので、興味をそそられた方は是非一読あれ。


・アメリカでのネット通販20兆円はシェア4割。(通販はまだ小売の1割だから伸びしろ大)

・日本での小売売上1.3兆円は5位。(1位イオン8.4兆円)
・GAFA (Google, Apple, Facebook, amazonの頭文字)にMicrosoftを入れて、GAFA + M というが、amazonの時価総額78兆円はアップルに次いで世界第2位。(トヨタ24兆円)
・amazonの株価は、上場した時の1,252倍に上昇、2015年6月から3年間の株価でも、アップル、グーグル、フェイスブックはそれぞれ2倍程上げに対して、amazonだけは4倍。
・株式市場には「Death by amazon」(アマゾンによる死者リスト)がある。
・amazonが運営しているAWS(amazon web service)は、企業向けのクラウドサービスで、サーバーを提供するサービスのこと。大企業は原則それぞれ独自にサーバーを持っているが、この運用コストが莫大でクラウドサービスに移行(現在はまだ5%)しており、CIA、GE、マクドナルド、AirB&B、ネットフリックス、日本では三菱UFJ、日立、キャノン、ファーストリテイリング、毎日新聞等名だたる企業が顧客。
・この部門での売上が何と世界1位で122億ドルシェア35%。(2位マイクロソフト24億ドル、3位グーグル9億ドル)
・AWSのデータセンターは全世界53ケ所で、12ヶ所増設中、莫大な電気代がかかるので、風力・太陽光発電所建設。
・FBA(フルフィルメント・バイ・アマゾン)は、アマゾンに出品する中小企業に「インフラ」(倉庫・在庫管理・決済・配送・カスタマーサービスまでをamazon代行)を提供、出品業者は自社製品をアマゾンの倉庫に送ればほぼ何もしなくてもいい。
・物流に積極的に投資、物流倉庫は日本だけでも15ヶ所、一カ所の倉庫から毎日160万個もの商品を出荷できる。(楽天3ヶ所)最近では、ベンツに対して配送用のバンを2万台発注。
・倉庫を空に飛ばす計画で、母艦のようにヘリウムガスを使った全長100メートルの飛行船で数百トンの品物を積載し、ドローンで配送する計画。
・ソフトバンク等と組んで、大陸間海底ケーブル敷設事業にも参入。
・CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)とは、仕入れた商品を販売し、何日間で現金化されるかを示すものだが、amazonは、アマゾンプライム前受年会費(アメリカだけでも1兆円超)、マーケットプレイス売上金一時収納などで-28.5日、つまり物を売る約30日前に手元に現金が入っていることになる。
・動画配信だけでなく、年間15本以上の劇場映画製作を打ち出し、アカデミー賞受賞も目指す。
・特撮アニメにも力を入れ、すでに「仮面ラーダー」「クレヨンしんちゃん」も制作。
・その他、「アマゾンゴー」(無人店舗)、「アマゾンエコー」(AIスピーカー)、「アマゾンペイ」(金融事業)、ロボット会社買収、ファッション分野参入と枚挙にいとまがない。

「リアルとネットの境目を失くし、国と国の境目すらあいまいにし、amazonがすべてを押さえた時、立ち向かえる企業は存在せず、国家という枠組みでも捉えきれない存在になるだろう」と成毛眞氏は結んでいる。



0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム