狐の剃刀
山に登るって、花を訪ねるってことでもある。
もっと言えば、花に誘(いざな)われるってことだ。
今回は狐の剃刀(キツネノカミソリ)、いや狐の話。山歩会のメンバーにT氏というのがいて、既にキチンと登山報告をFBにアップしてくれている。
毎回の几帳面な報告は感謝に耐えないが、問題はその活動データの中の距離と高低差だ。
登山中から、言動はおかしかった。
自分だけ仲間の倍くらい歩いていると言って譲らないのである。
おもむろに彼の「YAMAP」というアプリを見てみると、確かに距離は長く、それよりも異常なジグザク歩行が記録(データ1)されていた。
その時は、「滑落を繰り返しながら登って来たんだね」とジョークですませたのだが、今改めて彼のアップデータ(データ2)と自分のデータ(データ3)と比較してみて、背筋が凍った。
歩行の距離と軌跡も明らかに異常だが、高低差のデータを比較していただきたい。
ジグザク歩行と同時に、何と激しい上下動を繰り返しながら、登山しているではないか。
心霊写真などがそうだが、肉眼では見えないが、何らかの媒体で記録してみると、見えることがある。
なんと彼は、山の尾根や谷を上下左右に自在に浮遊しながら、山に登り、そして降りて来たのであった。
狐につままれた、あるいは狐に取り憑かれたのは間違いないだろう。
そういえば、2年前だったか同じ時期にも同会でここを訪れているが、その時も狐の剃刀の群生地に来ると、彼はフラフラと山中に引き込まれ、暫し行方不明になった。
今回は、以下のような現象もあったので付記しておく。
・T氏は登山口にある駐車場までの1車線ギリギリの細い山道を、まるであおり運転のような猛スピードで走り抜けて行った。
・下山は違うルートを通っているのに、この道は見覚えが無いと悩みながら呟いていた(これは別の病気という説もある)
・何故かオチがミエミエの駄洒落を連発していた。(これはいつもという説もある)
・駐車場では、頭に色とりどりの花をいっぱい飾った、場違いな白いドレスの美女が、化粧をしながら笑っているのが見えた。
ファーマータナカの登山中の背後で起きていたことを今思い返すと、身の毛がよだつ。
キツネノカミソリは、ユリ目ヒガンバナ科の多年草球根植物、有毒で開花時は葉が無く、直立し6枚の花弁の花を咲かせる。
データ1 ジグザク歩行の軌跡
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