2024年5月22日水曜日

小料理

飲食店探訪。

家でも外でも冷たくあしらわれる禿げかかった孤独なおいちゃんは、きっと何処かにささやかなオアシスがあるはずだと、今日もよたよたと彷徨うのである。

「小料理屋さん」って、何て優しい響きなんだろう。
無いものねだりだろうが、夢想は自由だ。

料理上手でちょっと寡黙な憂いのある女将がいて、カウンターにはおばんざいのような料理がさりげなく並ぶ。
熱燗はちろりで温める古風なところがあるかと思うと、冷酒やワインのチョイスには意外なこだわりもあったりして。

「今日はたあさんが来る予感がしたから、◯◯を作っておいたの。」
とか何とか言われたりなんかしちゃったりして。

ついでに出戻りの娘が、時折手伝っていたりすると、そりゃあなお良い。

だけど現実は、知らない店の暖簾をくぐるのって、結構荷が重いのだ。

「すいません、今日はこの後生憎予約が入ってまして…」
と、柔らかく断られたり、
「あんた、何者?」
「ここはあんたのような一見さんの来る処じやないよ。」
みたいな、カウンターに雁首揃えた常連客の冷たい視線を浴びる可能性もある。

籤(くじ)って滅多に当たらないものだけど、今日も数千円の籤をひいてみるとするか。
ひょっとして今日のこのお店は当たりかもしれない。

(※本文内容とお店は直接関係ありません)


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