ラノーテープ
ファーマータナカの新農業講座第10回。「夢の農薬ラノーテープ」
(今回も真面目なので興味のある方のみお付き合い下さい)
リオデジャネイロ五輪のゴルフで日本代表筆頭候補の松山英樹の出場辞退(是非論は別として)に関連して、
【ジカ熱→ヤブ蚊(ネッタイシマカ)→小頭症→原因→GM(遺伝子組み換え)蚊 or 農薬?】
と、例によってネットサーフィン(古)していたら、原因のひとつとして疑われている殺虫剤成分の昆虫成長制御剤「ピリプロキシフェン」という成分名に微かに聞き覚えがある。
因果関係は確定していないが、ブラジルで小頭症多発地区での蚊の駆除のため、大量長期に散布、飲料水にも混入されたという。
消えかかった記憶を辿ってようやく辿り着いたのが、現在ももちろん農業現場で使用されている「ラノーテープ」という、夢の農業資材(農薬の一種)だ。
ラノーテープは、このピリプロキシフェンを黄色いテープ(色を好んで寄ってくる)に沁み込ませ、接触したコナジラミが生んだ卵が孵化しないことで、結果的に害虫を退治するしろものだ。
トマト栽培農家にとって最大の敵(害虫)は「コナジラミ」で、その防除には途轍もない肉体的苦役と精神的苦痛が伴うが、このテープを貼るだけで防除作業がなくなり、トマトにも人間にも接触しないで安全、ときているのが夢の資材の理由だ。
だが数年後には耐性出現で効果激減、やはり夢だったんだと、新しい農薬開発を待ちわびることが繰り返されている現実がある。
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