廃墟寸前の古びた長屋風の市営住宅の、その一角でそれこそたわわという言葉ぴったりに、無花果が実をつけていた。
メソポタミアでは6,000年以上も前から栽培されていたそうな。
天地創造6日目に造られたアダムとイブは、その裸体をこの葉で覆った。
人はこの果実に、豊穣平和官能不老長寿と、時々に様々な意味を付与し、或いは神聖視してきた。
その一方で、羞恥を忘れ、欲に塗れ、争いを好むように成り果てた。
子供の頃、無邪気に庭で獲り放題だったのに、昨今姿そのままに高級品に成り上がったのは、勿論無花果のせいではない。
今日から9月だ。
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