ムスカリ
路傍の花シリーズ「ムスカリ」。
時折山に登る。
最近は専ら低い山をリーダー達に宛がい扶持に用意してもらい、唯金魚の糞の様について行く。
何度か頂きを見上げてはまだまだかと内心落胆するが、大抵はただただ俯いて枯葉や瓦礫や土砂や泥濘の足元を見ながら歩く。
だが、山が(は)高いことを知るために、山に登る必要はない。
(You don’t need to climb a mountain to know that it’s high.)
ブラジルの小説家パウロ・コエーリョの名言だ。
そこにはぽつりぽつりと名も知れぬ草花が咲いていて、いい歳をした穢れ切ったおっさんの心を洗うのである。
同じように、人は人生の道程が辛いことを知るために、人生を歩む必要はない。
ボストンバッグを肩に下げ、WASH HOUSEに洗濯物の乾燥に向かう陽光の道すがらに、「ムスカリ」を見つけた。
非日常の山に入らずとも、下界の足元のムスカリにひとときの安息地を見たというわけである。
それにしても、朝も早よから偶々道を歩いていたら雑草化した可憐な小さな花を見つけたという他愛も無い話を、ここまで膨らませて書く何とも暇というか面倒臭いそんな男もいるという話でもある。
おまけに少しググってみた。
「ムスカリの英語名はGrape Hyacinth、ブドウ形の花をつけるヒヤシンスとは言い得て妙。
史上最古の埋葬花とも言われ、今から6万年程前のイラク北部のネアンデルタール人の遺跡で埋葬時にたむけられていた跡があるそう。
又、ヨーロッパでは青い花は悲しみの象徴とされることが多く「失望」「失意」という花言葉を持つが、その悲しみから立ち直るという意味をこめて「夢にかける思い」とのポジティブな意味も持つ。」
【 史上最古の埋葬花「ムスカリ」】
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