枯葉
今日の一句「枯葉」。
「ほろほろほろびゆくわたくしの秋」 種田山頭火
良寛を心の師と仰ぐ山頭火は、酒癖が悪く、世渡りが下手で、家族も財産も失い、行乞(鉢を持って家々を回り、施しを受けること)の旅に出た。
良寛が辞世の句、「裏を見せ 表を見せて 散るもみぢ」と、紅葉の散る姿に人生を重ねたように、山頭火は「滅びゆく」自分自身を、秋の景色の中に置いた。
「裏も表も見せて散る」に通じる、「自分はもうダメになっていく、でもそれもまた自然なことだ」という、諦念と肯定が入り混じった、究極の「ありのまま」。
その無様さカッコ悪さが、カッコいい。
紅葉も出来ず、かといってありのままも晒せない、中途半端な己が、枯葉色の世界の中で余計侘しい。


0 件のコメント:
コメントを投稿
登録 コメントの投稿 [Atom]
<< ホーム