2026年2月17日火曜日

Bar雑感

Bar雑感。

日本のバーは、単なる酒場ではなかった。

明治の開港とともに流入した西洋文化は、
昭和初期の銀座で静かな成熟を見せ、
戦後の復興と高度経済成長のなかで職能として制度化された。

1951年設立の「 日本バーテンダー協会(NBA)」 は、
技術を競技へ、経験を体系へと昇華させた。

1980年代、オーセンティックバーは一つの完成形に達する。
沈黙のカウンター、磨き上げられた氷、
客より前に出ない所作。

それは欧米型の社交とは異なる、
日本的な「静寂の様式」だった。

いま、60余年続いた先輩の一軒が幕を閉じる。
それは経営の終わりというより、
高度成長期以降の精神様式の終焉かもしれない。

巷には、打ち上げ花火のように、SNS情報が飛ぶ。
息づいてきた鼓動は減って、文化の密度も消えてゆくのだろうか。

Barのみならず、
問われているのは、継承の構造そのものなのだろう。


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