2026年1月25日日曜日

ロン・サカパ 23 センテナリオ

棚からスピリッツ「ロン・サカパ 23 センテナリオ」。 グラスを傾けると、 まず立ち上がるのは甘さではなく、 かつて歩いた高地の空気。 雲は低く、 時間はゆっくりと斜面を下っていた。 あの国では、 急ぐ理由を見つけるほうが難しかった。 琥珀色の液体は、 サトウキビの蜜というより、 陽と影が溶け合った記憶の抽出。 乾いた土、遠くの火の山フエゴ山、 夕暮れに染まる市場の喧騒。 一口ごとに、 味が前に出るのではなく、 こちらが奥へと引き込まれていく。 甘みは語らず、 スパイスは主張せず、 ただ「ここにある」と告げるだけ。 十年前の滞在が、 地図ではなく体のどこかに残っていたことを、 このラムが静かに思い出させる。 ロン・サカパ23。 それは酒というより、 高地で熟成された「時間」を、 今夜、グラス越しに再会している感覚に近い。 飲んでいるのはラムだが、 味わっているのは、 きっと――グアテマラ、アンティグア。 この銘柄については以前にも書いた。 旅の記憶・・・ Barに立ち寄ると、時々ついつい手が出てしまう。 Bar KUMAGAI@白金


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