古賀久
飲食店探訪 & 現代芸人考「古賀久」。
昔ほど頻繁には行かなくなったが、贔屓の隠れ家的店をたまに訪ねてみようと思い立った時、運悪くそのお店が店休日だったり珍しく満席だったりする。
で、行先に困って老舗の居酒屋を久しぶりに覗く羽目に。
「古賀久」 は、創業はなんと大正時代!1920年から100年以上続く老舗の居酒屋で、「早い・安い・旨い」がモットーの昼から飲めて、お酒や料理がお手頃価格で楽しめて、地元の人たちに愛され続けている。
ショーケースに並んだ小鉢を自分で選ぶスタイルも、昔ながらの居酒屋の雰囲気を醸し出している。
焼鳥、ピリ辛手羽先、豚キムチに熱燗徳利と、何故か若かりし頃の肉物メニューばかりをオーダーしてしまいお腹いっぱいになったが、今日の話はそこではない。
知る人ぞ知るここは、お笑い芸人「おいでやすこが」のツッコミでおなじみの「こがけん」の実家が営むお店。
「M-1グランプリ2020」で準優勝したことで、その知名度は全国区になっており、ちょっと調べてみた。
こがけん の経歴は、地方都市・久留米の感覚で見るとかなりのエリートコースで、附属小→附属中→県立明善高校 → 慶應という流れは、昭和〜平成初期なら芸人になる人材というより、大企業・商社・銀行・地元名士の後継と見られる類型だ。
昔の芸人像は、貧乏・反骨・学歴なしだったと思うが、現代芸人は明らかに高学歴化している。
それは、お笑いがテレビ産業の巨大化と、お笑い(芸人)に知性が要求されるようになったことで、「サブカル」から「メジャー産業」へ変化したことが大きい。
芸人は社会のドロップアウト組が一攫千金を狙って這い上がるものというイメージから、高学歴で育ちの良い若者が、数ある選択肢の中からプロの表現者として芸人を選ぶという構造変化が起きているのだ。
昔の弟子入りスタイルではなく、吉本興業のNSC(養成所)を筆頭にコストもかかり、経済的余裕のある家庭の子ほど挑戦しやすいということ。
音楽・映画・アート・文学等でも同じで、現代の表現産業は一見自由競争に見えて、実は中流以上の家庭の文化資本に支えられているといえそうだ。
ああやっぱりである、私が這い上がれない理由が、ここにも端的に示されている(泣)。
古賀久@久留米市六ツ門町



